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高島市、害獣の処理施設新設
県内初、シカなど多く
高島市は、一般廃棄物処理を行っている市環境センター(同市今津町途中谷)で、駆除したシカなど多量の野生獣を焼却する県内初の処理機能を追加する。9月定例市議会に提案する一般会計補正予算案に事業費5100万円を計上した。来年度から稼働させる。
高島市では昨年度、獣害による稲や野菜、果物の農作物の被害が100ヘクタール、7000万円に及んでいる。本年度から市内に生息していると見ら れるシカ9300頭を2011年度に半減する計画が始まっているが、シカは繁殖力が強く、年間3100頭ペースで減らさないと達成できない、とされてい る。
昨年度、市内の猟友会会員が駆除したのは1700頭で、食肉にする以外は山に穴を掘って埋めたり、死骸は一般廃棄物にあたるためごみ袋に入れ出したりしている。駆除数が大幅に増えるため、大量に処分できる施設が必要となった。
野生獣処理施設は、同センター内に、燃えやすくするように第1、第2の粉砕機を新設する。細かくなった肉は脂分が多すぎるため下水処理で出来た脱水ケーキと汚泥ホッパでまぜたあと、ガス化炉で焼却する。1日に最大20頭が処理できる。
同施設に運搬して処理する必要があるのは、個体数調整分600頭で、狩猟分2500頭は猟友会会員に処理方法がまかされている。個体調整の費用として1頭に1万7500円が支給されている。
(京都新聞電子版2010年4月15日)